自然体験活動とは

自然体験活動とは

自然の中で、自然を活用して行われる活動のことです。様々な活動を含む。総合的な活動です。

例えば、
 野外活動(キャンプ、ハイキング、スキー、カヌー など)、

 自然・環境学習活動(動植物や星の観察 など)、

 文化・芸術活動(自然物を使った工作、自然の中での音楽会 など)

といった活動があります。

自然体験活動の教育効果

 教育効果としては、自然に触れることで環境保全の意識が高まる、仲間と交流することで人間関係を築く力が高まる、共同生活を送ることでルールやマナーといった社会性が身につく、他者との関りから自分自身を見つめ直し、自己肯定感が高まるといった効果が挙げられます。

非認知能力 の 重要性

 近年、「非認知能力」が注目されています。

  認知能力 :理解・判断・論理といった知的機能のこと。
  非認知能力:IQ(知能指数)や 学力テスト、偏差値などのように、点数や指標などで明確に認知できるものではないが、子どもの将来 や 人 生 を豊かにする一連の能力のこと。

 学校の成績に大きく影響するのは、認知能力です。しかし、研究によれば、「非認知能力の向上は、認知能力の発達を促す。」とされています。

 それと、最近 注目されている理由 は、「幼児期に非認知能力を鍛えると、その後の人生において、学歴 や 収入 といった点で、大きなメリットが存在すること」が分かってきたからです。

「自然体験活動」が「非認知能力」を高める

 「自然遊び に含まれる多くの要素が、非認知能力 を高めること」は、専門家にも認められています。幼児にとって、保育園・幼稚園などの 砂場 や 遊具、公園の木や川が非認知能力を培ってくれます。

 公園で何か面白いものを見つける、季節ごとに変わる匂い や 生き物の気配 を肌で感じる などです。

 また、運動会 や 催し、伝統行事も子どもにとっては、探求心、行動力、直感、協力など あらゆる能力 が求められる場 なので、非認知能力を培う大切な場 となります。

体験学習サイクル

 自然体験活動では、体験から学びを得るために、「体験学習サイクル」という考え方 で プログラム を進めていきます。
 「体験学習サイクル」とは、ジョン・デューイ(哲学者・教育思想家)の学習理論、ディビット・コルブ(教育学者)の研究 がもとになっている理論です。
 当日本自然体験活動協会では、その理論をもとに、更に研究を重ね、「目標設定 → 体験 → 振り返り → 概念化 → 一般化」という5つのステップを考案し、実践しています。

 

 例えば、野外炊飯の場面では、

①目標設定:みんなで「これからどうしたいか?」を考える。
  ex.みんなで飯盒で美味しいご飯を炊こう!

②体験:やり方の説明を聞いたら、やってみる。
  ex.ご飯が焦げてしまった。

③振り返り:「個人・グループで、何が起こっていたか?」を思い出す。
  ex.火が消えないように、薪をどんどん入れた。隣の班へ行き、しゃべっていた。

④概念化:体験の意味を考え、意味づけをする。そこから教訓 や 法則など「何が学べるか?」を考える。
  ex.薪は入れすぎると、火が強くなる。

⑤一般化:また同じ活動をしたり、違う活動に学んだ教訓や法則を活かす。
  ex.火の強さを見ながら、薪を入れる。作業の持ち場から離れない。